2010年9月11日土曜日

歯科臨床概論ー外科的処置

B.口腔領域の主な疾患
⑦口腔領域の炎症
 智歯周囲炎、歯肉膿瘍、根尖病巣、骨髄炎、骨膜炎、上顎洞炎、口底炎
⑧顎関節症の疾患
 顎関節症、脱臼
⑨奇形、変形
 唇顎口蓋裂、顎変形症
 小帯異常:上、下唇小帯異常(過短症)、舌小帯異常
 歯の異常:過剰歯、埋伏歯、癒合、癒着歯、巨大、矮小歯
⑩嚢胞性疾患
 歯根嚢胞、正中上顎嚢胞、切歯管嚢胞、術後性上顎嚢胞、ガマ腫
⑪腫瘍
 歯原性、非歯原性
 良性・悪性
 前癌病変:白板症、紅板症、エナメル上皮腫、エプーリス
⑫唾液腺の疾患
 唾液腺炎、唾石症、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
 腫瘍:多形成腺腫、癌
 口腔内乾燥症:シェーグレン症候群
⑬神経性疾患
 三叉神経痛、顔面神経痛
⑭血液疾患と出血性素因
 貧血(再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、悪性貧血)、白血病、血友病、血小板減少性紫斑病

C.日常的な小手術
①抜歯術
 分類
a.普通抜歯
b.難抜歯:根分割、骨開削
c.埋伏抜歯:完全・不完全埋伏、水平埋伏

 器材の準備
a.普通抜歯の準備
 基本セット(ミラー、ピンセット、探針)、注射器、注射針、抜歯用鉗子、鋭匙、局所麻酔薬
b.難抜歯の準備
 上記に加えて替刃メス、外科用ピンセット(有鈎、無鈎)、骨膜起子、粘膜剥離子、リトラクター、骨ノミ、マレット、エンジンバー、骨ヤスリ、破骨鉗子、歯肉バサミ、生食水、シリンジ、持針器、縫合糸

 麻酔
全身的な麻酔法
①吸入麻酔
②静脈麻酔、鎮静法
③笑気麻酔、鎮静法
局部麻酔
①表面麻酔
②浸潤麻酔
③伝達麻酔
※針刺し事故の防止:ワンハンドスクープテクニック

 抜歯時の偶発症
a.隣在歯の脱臼
b.軟組織の損傷
c.上顎洞への穿孔及び歯根迷入
d.気管内吸引、食道内誤嚥
e.歯槽骨の骨折、亀裂発生(骨膜が付着していれば保存可能)
f.後継歯の損傷(乳歯抜歯で永久歯胚の誤抜の場合は再植する)
g.下歯槽神経の損傷

 抜歯後の偶発症
a.止血困難、止血後の再出血
 ・全身的因子:出血性素因
 ・局所的因子:麻酔液の過剰投与による反射性血管拡張、血管損傷、病巣部の不良肉芽、患者自身の不適切な管理状態(強い刺激、頻繁の洗口、飲酒)
b.術後感染
c.ドライソケット:下顎智歯に多い、骨が緻密で硬い部位に好発する、抜歯前の炎症期間が長い場合に多い
d.骨粗しょう症治療薬による顎骨壊死(BRONJ)

②歯槽骨整形、骨瘤除去手術
 適応症
a.有床義歯の印象前の前処置として鋭端部や骨瘤の除去
b.連続した多数歯の抜歯の場合、各歯根間の骨中隔部が鋭端になりやすい
c.長期間に及んだ孤立歯の抜歯の場合、周囲よりも挺出していた場合に骨が鋭端になりやすい

 手術の流れ
消毒→局所麻酔→粘膜切開→粘膜骨膜弁の形成→鋭端部の骨削除→洗浄→縫合

③歯科インプラント手術
この10年ほどの間に歯科インプラントは材料、術式、システムの改良が進み、臨床成績は格段に向上した。
いまでは欠損補綴の1つとして欠かせない手段となっている。

 適応症
以前までは、有床義歯の適応が困難な症例に対して、あるいはブリッチでは設計に無理がある場合などに対して、相対的な適応症として考えられていた。
今ではむしろ第一選択として考えられるケースもあるが、費用の面で選択されない場合が多い。その意味では絶対的禁忌症は少なくなってきている。

④歯根端切除術、根尖ソウハ術、歯根嚢胞摘出術
多くの場合は慢性根尖性歯周炎によるもので、患歯の根尖部を粘膜の切開剥離により明示し、病巣部を摘出ソウハする。

歯牙の再植術、移植術
打撲などにより歯牙が脱落した場合や、根尖病巣の難治症例で抜歯を行った場合で、もとの部位に整復固定することにより機能を回復できる場合がある。
またやむを得ず抜歯をした場合でも、他の部位から健全歯を抜去して充当する場合もある。

⑥歯周外科手術
a.歯周ポケットソウハ術
b.歯肉切除術、歯肉整形術
c.歯肉剥離ソウハ術
d.歯肉歯槽粘膜形成術
・・・小帯切除術、口腔前庭拡張術、有茎歯肉弁側方移動術、遊離歯肉移植術、結合組織移植術